愛着障害に必要な3つの基地

「愛着は乳幼児期に母子間で作られる絆で安全基地のようなモノ。」

と俗に言われます。

専門家は

この安全基地のようなモノを

愛着形成の3基地機能

と説明しています。

愛着形成の3基地機能

3基地とは

・安心基地

落ち着く、ホッとする、楽しくなる、等

ポジティブな感情を生じさせる存在

・安全基地

恐怖、不安、怒り、悲しみ、等

ネガティブな感情から守ってくれる存在

・探索基地

基地から離れて基地に戻る動線の中で

基地から離れても大丈夫と感じ

基地に戻って経験を報告すると

経験値アップにより

ポジティブな感情を増やしてくれる存在(又はネガティブな感情を減らしてくれる存在)

以上3つの基地の事だそうです。

もし安心基地の上に安全基地、さらにその上に探索基地、をバランス良く積み上げ

安定したピラミッドを作れると

そのピラミッドを核に

まともな人間関係を築けて

精神的自立を手に入れられると考えられています。

愛着障害3タイプ

・安心基地に障害があるタイプ(脱抑制タイプ)

脱抑制対人交流障害(DSED)

と呼びます。

無警戒、過剰な身体接触、等

の特徴行動が生じ

𠮟ると不適切行動が増えます。

・安全基地に障害があるタイプ(抑制タイプ)

反応性愛着障害(RAD)

と呼び

強すぎる警戒、嫌って避ける、等

の特徴行動が生じ

𠮟ると長期間関係遮断されます。

・探索基地に障害があるタイプ(第3タイプ)(正確には安心基地も安全基地も障害があるため探索基地がほぼ作れなかったタイプ)

自閉症スペクトラム障害(ASD)と愛着障害の併存

と呼び

引きこもり、等

の特徴行動が生じ

叱るとパニックになったり、攻撃して来たり、固まったり、するそうです。

マーラーの愛着形成発達モデルと照らし合わせると

自閉期は何も基地が無く

共生期に安心基地

移行期に安全基地

練習期、再接近期に探索基地

を構築するのではないかと推察されます。

愛着障害と混同されやすい障害

愛着障害とよく混同されやすい障害に

・注意欠如多動性障害(ADHD)

・自閉症スペクトラム障害(ASD)

があります。

愛着障害を理解する為には

愛着障害と似た障害との違いを知る事が役に立ちます。

結論から言うと

注意欠如多動性障害(ADHD)は行動面の障害。

自閉症スペクトラム障害(ASD)は認知面の障害。

愛着障害は感情面の障害。

という違いがあります。

また注意欠如多動性障害(ADHD)や自閉症スペクトラム障害(ASD)は

先天的な脳(ハードウェア)の障害であると言われており

愛着障害は後天的な心(ソフトウエア)の障害であると言われています。

つまり

愛着障害は治せる

と考えられます。

まとめ

愛着障害とは

誰とも愛着の絆、関係性を築けていない

関係性の障害

と言えます。

愛着という絆は情緒で結ばれるモノです。

感情の支援なしに愛着障害の支援は成功しない

と考えられます。

愛着障害は

行動の障害や認知の障害ではなく

感情発達の障害である

と捉えなおすことで

支援の方向性が見えて来ます。

愛着障害は

愛着形成にとって必要な3つの基地を作れば

修復できることが実証されているそうです。

中でも

安心基地の構築が最優先かつ最重要だと言われています。

ご自身で大人の愛着障害に取り組む方も

これから子育てを始める新米ママの方も

注意したいのはタイミングというか順序でしょう。

多くの親は、この上ない善意と愛情を持って子育てをして来たのだろうと思います。

しかし

順序を知らないのです。

愛着形成の順序を知りませんし

子供がもっとずっと成長した後に取り組むべき課題に先走って取り組んでしまったりするのです。

誰かが3歳児を育てた時に学んだ知恵や

誰かが7歳児を育てた時に気付いた気付きを

0歳児と愛着形成する時期に持ち込むのは大変に危険です。

迂闊なのです。

テクニカルではありません。

だから愛着障害が巷に溢れているのではないでしょうか?

アドラーは言いました。

「愛とは技術である。」

と。

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