愛着障害を理解する為の内的ワーキングモデル

内的ワーキングモデルとは

 成人は、愛着を内面化していて、愛着対象がいなくても心の中でシミュレーションすることで安心を得ています。それを「内的ワーキングモデル」といいます。愛着に関する内的ワーキングモデルとは、自分自身が愛されるに足る人物ととらえる自己イメージと、自分は愛着対象から愛される助けてもらえるという信頼と、によって成り立っています。心の中の安全基地を「内的ワーキングモデル」といいます。

その安全基地である内的ワーキングモデルは

人によって偏りがあると考えられるでしょう。

人間が自分や他者に対して抱いている

(こういうもんだろ)

という先入観によって安全基地に偏りが出ます。

(自分は不安定。だから他者を頼った方が良い。)

(他者は利己的で独善的だから信用してはならない。)

などの

偏った信念は偏った内的ワーキングモデルによって創り出される

と考えられます。

偏り過ぎるともはや客観的には安全基地ではなく

危険基地でさえあると言えるでしょう。

それが愛着障害です。

内的ワーキングモデルという言葉は

安全基地としての内的ワーキングモデルの偏りを見える化したマトリックス

に使われることもあります。

二重の意味があるわけですね。

内的ワーキングモデルの偏りを見える化したマトリックスは具体的には

縦軸に見捨てられ不安

横軸に親密性の回避

を取り

それぞれ高い低いの2区分を設け

4象限のマトリクッスとしたモノで

4つの愛着スタイル(・おそれ・とらわれ・拒絶・安定)を表せるモノです。

見捨てられ不安高いかつ親密性の回避高い=おそれ

見捨てられ不安高いかつ親密性の回避低い=とらわれ

見捨てられ不安低いかつ親密性の回避高い=拒絶

見捨てられ不安低いかつ親密性の回避低い=安定

となります。

内的ワーキングモデルと愛着形成

・おそれの形成

養育者が

ネグレクト、無関心

に関わってしまうと

子供は

(自分には何も出来ないし、他人も信用ならない。)

といった内的作業モデルを形成し

他者を遠ざけたり不信を抱いたりしやすくなり

成人後もその愛着スタイルを続けると考えられています。

・とらわれの形成

養育者が

過保護

に関わってしまうと

子供は

自己について

(自分一人では何も上手く出来ない。)

といった内的ワーキングモデルを形成し

見捨てられ不安を抱えてしまい

成人後もその愛着スタイルを続けると考えられています。

・拒絶の形成

養育者が

安定せずころころ変わったりして

関わってしまうと

子供は

(他人は信用ならない。最終的になんとかできるのは自分だけだ。)

といった内的作業モデルを形成し

養育者の反応を最大化するために

わざと危険な事をしたり

悪口を言ったりし

成人後もその愛着スタイルを続けると考えられています。

・安定の形成

養育者が

安定的に

関わることに成功出来れば

子供は

(自己も他者も信用出来る。)

といった内的作業モデルを形成し

成人後も

情緒的にも人間関係的にも安定すると考えられています。

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