自己愛性パーソナリティ障害(NPD)について
自己愛性パーソナリティ障害(Narcissistic Personality Disorder, NPD)は、自己の重要性(他者評価)を過大評価し、他者に対する共感が欠如していることが特徴の精神的な障害です。この自己愛性パーソナリティ障害は、俗にダークテトラッドの一つに分類され心理学では反社会性パーソナリティ障害に分類される周囲にとって大変危険な精神疾患です。自己愛性パーソナリティ障害は幼少時の愛着障害などにより修復不能なほど自己愛が損傷しており、自己愛憤怒という激しい怒りや羨望や空虚感など内心は常に苦しい思いを抱え続けているそうです。損傷した自己愛を仮補修するために、常に自己陶酔的な供給の搾取をし続ける事を必要としていると考えられています。自己陶酔的な供給には2種類あります。ポジティブな自己陶酔的な供給とネガティブな自己陶酔的な供給です。ポジティブな自己陶酔的な供給とは、権威に特別扱いしてもらう事だそうです。ネガティブな自己陶酔的な供給とは、エンパス(共感力の高い人)など価値の高い人の価値を落とす事だそうです。しかし自己愛性パーソナリティ障害は、どれだけ自己陶酔的な供給を搾取しても自己愛のタンクが満たされることはないようです。言わば底に穴の開いたバケツに水を汲むような精神構造だからだそうです。従ってナルシスト(自己愛性パーソナリティ障害)はターゲットの対人関係や日常生活に深刻な影響を及ぼします。自己愛性パーソナリティ障害は羨望が異常に強いため、攻撃性が極めて高いのです。それでいて極めて臆病なため、攻撃と分かりづらい受動攻撃をするか、自分は裏に隠れて第三者を利用して攻撃します。利用された第三者は潜在的に持っていた自己愛性パーソナリティ障害の傾向が強まり、そそのかした自己愛性パーソナリティ障害と同様のことをするため、自己愛性パーソナリティ障害は精神の伝染病とも言われます。こうして周囲から責められたターゲットは、本当は誰から攻撃されているかも分からず(自分がおかしいのだ。)と精神を病んでいく事が多いようです。
特徴と症状
自己愛性パーソナリティ障害の主な特徴には以下のようなものがあります:
・誇大性: 自分の能力や業績を過大評価し、特別な存在であると信じている。
・賞賛の要求: 他者からの無条件の賞賛を求める傾向が強い。
・共感の欠如: 他人の感情やニーズに対して鈍感であり、他者を物のように扱うことがある。
・特権意識: 自分が特別な扱いを受けるべきだと考え、他者を低く評価することがある。
これらの症状は通常、20代までに顕著になります。
原因
自己愛性パーソナリティ障害の原因は明確には分かっていませんが、遺伝的要因や環境要因が関与していると考えられています。特に、過度に批判的な育成や、逆に過度に賞賛される環境が影響を与える可能性があります。
治療法
治療の主な目標は、他者の感情を理解し、共感を持てるようになることです。心理療法が中心となりますが、自己愛の強い人にとっては、自分の優越性を否定することが難しいため、治療が困難になることがあります。必要に応じて、抗うつ薬や気分安定薬が処方されることもあります。
人間関係への影響
自己愛性パーソナリティ障害を持つ人との関係は、しばしば複雑で困難です。ナルシストはパートナーを自分の承認欲求を満たすための手段として扱うことがあり、これにより関係が一方的になりがちです。初期の段階では魅力的に見えることもありますが、長期的には感情的な不安定さや自己中心的な行動が問題を引き起こすことが多いです。
このように、自己愛性パーソナリティ障害は、個人の心理的健康や対人関係に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、早期の診断と治療が重要です。
自己愛性パーソナリティ障害(NPD)と成功の関係
自己愛性パーソナリティ障害(Narcissistic Personality Disorder, NPD)を持つ人々が成功する傾向がある理由は、いくつかの心理的特性や社会的要因に起因しています。
- 自信と魅力
ナルシストは自己評価が病的に高く、根拠なく自信に満ちていることが多いため、他者にとって魅力的に映ることがあります。この自信は、特にビジネスやリーダーシップの場面で有利に働くことがあります。ナルシストは自分の意見を強く主張し、他者を引きつける能力があるため、職場でのリーダーシップポジションに就くことが多いのです。 - 社会的スキル
ナルシストは、周囲をマニュピレート(操作的)したいので、他者との関係を築くための社交的なスキルを持っていることが多く、これが彼らの成功を助ける要因となります。彼らは表面的ではありますがカリスマ的であり、他者を魅了する能力があります。このため、ネットワークを広げたり、ビジネスチャンスを得たりするのが得意です。 - 競争心と目標志向
ナルシストは非常に競争心が強く、成功を追求する傾向があります。彼らは自分の成功を他者と比較し、常に上を目指すため、努力を惜しまないことが多いそうです。とは言え地道な努力は無能を証明してしまう事だと思っているので地道な努力は出来ません。権威にえこひいきしてもらうための努力や、価値ある者を貶めその価値を搾取するための努力なら幾らでも惜しまないのです。何故ならナルシストはこの2つの自己陶酔的な供給の搾取なしには生きられないからです。この強い生存欲求と結び付いた目標志向が、キャリアの成功に寄与することが多々あるわけです。 - リスクを取る姿勢
ナルシストは、失敗を恐れずにリスクを取ることができるため、新しい挑戦に対して積極的です。彼らは失敗を他人のせいにすることが多く、自分の失敗を認めることが少ないため、挑戦を続けることができます。この姿勢が、成功を収める一因となっています。つまり、勇気や覚悟があるからリスクを取れるのではなく、どうせ噓をつけば責任逃れ出来ると踏んでいるからリスクを取れるわけですね。 - 短期的な成功と長期的な課題
ただし、ナルシストの成功は短期的であることが多いという点も重要です。彼らの自己中心的な行動や他者への共感の欠如は、長期的には人間関係や職場環境に悪影響を及ぼすことがあります。結果として、彼らは一時的には成功を収めても、持続的な成功を維持するのが難しい場合があります。
このように、自己愛性パーソナリティ障害を持つ人々が成功する理由は、彼らの特性や行動パターンに深く根ざしていますが、同時にその成功が持続可能であるかどうかは別の問題です。
私個人の感想ですが
ナルシスト(自己愛性パーソナリティ障害)のような危険な反社会性パーソナリティ障害
いわゆるダークパーソナリティが
社会で成功を収める傾向がとても高い
というのは極めて大きい社会問題だと思います。
これはすなわち現代社会の構造にも何か大きな病的欠陥があるという事だ
と言えるのではないでしょうか?
個人的にはその病的欠陥は縦の関係だと思います。
横の関係が望ましい社会構造と考えます。
また現代社会を構成している現代人個人個人の一般的精神構造の脆弱さを浮き彫りにしている
とも言えるでしょう。
すなわち頑健な精神構造の初歩の初歩境界の設定すらが出来ていないのでしょう。
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