隣町の日帰り温泉で考えた

「あんた石鹼忘れたのかい?

俺のを貸してやるで。」

妻のお風呂セットから私の石鹼をもらい忘れて

やむを得ず石鹼を使わずタオルでゴシゴシ体を洗っていた私に

隣の60代位のおじいさんが声をかけてきました。

「ご親切にどうも。」

素直にお借りしてタオルに石鹼を塗り

「ありがとうございました。」

お返ししてから全身を洗わせて頂きました。

全身洗い終わってシャワーを浴び湯船に行こうとすると

「もっとちゃんと洗いなさいよ。」

先ほどのおじいさんが石鹼をもう一度差し出します。

(チョット遠慮したのが伝わっちゃったかな?)

そう思い

「すみません。」

もう一度石鹼を借りて身体を洗ったのでした。

別の日に

件の温泉で露天風呂の湯船に浸かっていると

80代位のおしゃべり好きなおじいさんに話しかけられ

しばらく談笑していました。

途中から20歳位の若者が加わりました。

彼の態度から察するに

どうやらこのおじいさんはここの町内会か何かの大御所の様です。

そして

徐々に若者の私に接する態度が凶暴性を帯びてきたのです。

睨んだり大声を張り上げたりしています。

アラカンの私は

(この子は一体私の何に腹を立てているのだろう?)

と不思議な思いを抱いたのでした。

妻にそんな話をすると

「ああ、そう言えば

私が友達のMちゃんに会った時に

「「最近どこの温泉行ってる?」」

って訊かれたから

「「**の湯によく行ってるよ。」」

って答えたのね。

そうしたら

「「umm・・・

**の湯かあ・・・

泉質はお肌に良いんだけどね・・・

常連の圧が凄くて・・・

嫌になっちゃってね。

もう今は行ってない。」」

って言ってたのよ。

確かに私も常連の圧力感じたことがあったかも。」

鈍い私もようやく理解しました。

(余所者だから圧を掛けられていたんだ・・・)

私は東京生まれの東京育ちの末っ子だったので

地方の習わしの面倒くささとは縁がありませんでした。

そして

これを機にチョット考えてみたのです。

””圧を掛ける””とは何か?

と。

・・・

ちょっと前に安芸高田市の議会が話題になりました。

議会のさなかにもかかわらず年配の議員が若手を恫喝し露骨に””圧を掛ける””さまが

ネット上に飛び交いました。

これが典型的な””圧を掛ける””かなと思います。

圧とはピラミッド組織において上から下に掛かる力でしょう。

「この組織に入りたいんだったら・・・」

「この組織に居続けたいんだったら・・・」

「この組織で上を目指すんだったら・・・」

・・・

「言いなりになれよ。」

「顔色伺えよ。」

「空気読めよ。」

「最底辺からスタートしろよ。」

「善良な奴隷になれよ。」

って事でしょうか?

私が地方に移り住んで感じたのは

地方はみんなで1枚きりのパイの奪い合いをしている

という点が問題の根本なのでは?

という事です。

都会は都会で地方に劣る点が多々ありますが少なくとも

都会はみんなでピザの枚数を増やそうとしている

という点は優れているのでは?

と思ったのです。

これはマーケティングに対するイノベーションとも言えますし

一段抽象度が高い思考とも言えます。

抽象度とは何か?

俯瞰力とも言えますが

IQの事だそうです。

地方では

古くからいる人(政治家や役人や社長)が地場産業を抱き抱えてしまっていて

利権は自分の親戚筋だけに回す。

そこと付き合いがあるところだけが仕事にありつける。

という構造になってしまっているように見えます。

この構造を維持するためには基本的には

余所者を排除する必要がある

ように思えますね。

・・・

アメリカのプログラマーが書いた本を読んだのですが

彼はハイスクールの頃オタクだったそうです。

クラスにはカースト制が明確にあり

彼らオタクグループは最下層民だったそうです。

最上位はアメリカンフットボーラーやチアリーダーだったそうです。

しかし彼はカースト上位にいじめられたことは一度もなかったそうです。

彼をイジメるのは決まって最下層の一つだけ上のグループだったそうです。

つまりイジメグループの連中は

(最下層になりたくない。)という恐怖から

目糞鼻糞レベルの上下関係を維持するために必死でイジメを仕掛けていたのです。

このしょうもない圧力がミルフィーユのように積み重なって

権力のピラミッドを自己組織化しているのでしょう。

一種のホメオスタシス(恒常性維持機能)と言えるでしょう。

・・・

圧を掛けるとは何か?

(圧を掛けるとは、IQの低い人が現状維持する為にとる防御反応だ.)

と思ったのです。

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