私は自動車は詳しくありません。
走り屋ではありませんし、機械いじりが趣味でもありません。
それでも欲しい車はありました。
一つはオープンカーのロードスターでつい最近まで乗っていました。
もう一つはジムニーです。
私が猟師だった頃、猟師仲間のほとんどはジムニー乗りだったのです。
猟には2種類あります。
銃猟と罠猟です。
私は銃猟師で主にシカ猟をしていました。
私は経験が浅く散弾銃とハーフライフルしか持てませんでしたが
仲間のほとんどはライフル持ちでした。
ライフルは数キロ先まで弾が届いてしまうので
遠く人里離れた山奥まで行って猟をする必要があります。
それを毎回徒歩で行き帰りしていたら大変です。
銃猟は日の出から日没までしかやってはいけないと法律で決まっているので
タツマをかける時間も減ってしまい結果猟の成果も減ってしまいます。
それで皆、車で登るのですが、猟場はアスファルト舗装された車道など無いのが普通です。
日本の山は林業用に意外なほど自動車が通れる山道が縦横無尽に走っているのです。
しかし
通れるのは軽トラかジープ系のオフロード車だけだと言います。
私のいたグループはオフロード車ばかりでした。
軽トラだと凸凹があまりにひどい道だと腹がつかえる事があるそうです。
中には大きなオフロード車に乗っている人もいましたが
ほとんどジムニー乗りでした。
「デカい車なんか要らないよ。
だって道が細いんだから。
デカかったら不便でしょうがない。」
実際ジムニーはどこでもUターンしていましたが
デカいオフロード車はUターン出来るポイントまで数キロ余計に走らなくてはいけないのでした。
かつて狭い道で無理にUターンしようとして崖から落ちた事があるそうです。
私は当時MATZDA/CX3だったので毎回仲間のジムニーに乗せてもらっていました。
そんな訳で私は
(いつかジムニー乗りになりたいな.)
と思っていたのです。
しかし今はジムニーではなく普通の軽自動車に乗っています。
私たち夫婦は車で遠出が好きなので
燃費がとても大事なのです。
しかし何故?
私は今の軽を買うときに実はついでにジムニーも試乗したのです。
「いやあ、やっぱり乗り心地は比べものになりませんね。」
「ああ、それが分かって頂けるなら話は早い。ジムニーの予約を入れられると良いと思いますよ。
今大人気で生産が追い付かず1年近く待つことになりますが。ご覧のように中古車も1台もありません。
こちらにある名札は予約の方々です。」
ズラッと名札が並んでいます。
諸事情によりすぐにでも車を乗り換える必要があった事もあり
ジムニーは諦めました。
しかし何故?
猟師でも林業でもない町中を走るだけの人たちが
何故こんなにも大勢ジムニーを欲しがるのだろう?
確かに格好いい。
ジムニーにはオープンカーやスポーツカーとはまた違った格好良さがあります。
しかしそれだけで?
腑に落ちませんでした。
私もジムニーは長年欲しかったですが
燃費や使い勝手の良さを考えると
やはり普通の軽を選んだからです。
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災害の話をしていてピンと来たのです。
(もしジムニーがあったならば
災害で主要道路が緊急閉鎖されても
山道を伝って隣県でもどこでも移動できるんじゃあ。)
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