不登校問題決定版4

Q:家族療法は当事者家族だけで出来るのか?

家族療法において外部からの介入は必須ではありませんが、非常に有益な場合があります。外部介入はそれだけで抽象度が上がったことになるからです。とは言え不登校支援の専門家は一般的に大変な高額です。おいそれとは頼めません。また、取り敢えず登校させるのは大して困難なミッションではないそうですが、それでは根本的な問題が解決していないので、しばらくすると不登校児に戻ってしまうそうです。取り敢えず登校させるだけの業者のカモにされても、お金をドブに捨てるだけです。以下に、外部介入の利点と、家族だけで行う場合のポイントを挙げます。

外部からの介入の利点

・専門的な知識と技術: 家族療法士やカウンセラーは、心理学やコミュニケーション技術に関する専門的な知識を持っています。彼らの指導により、効果的なアプローチを学ぶことができます。

・中立的な視点: 外部の専門家は、家族内の感情や対立に影響されず、中立的な立場から問題を見つめることができます。これにより、より客観的な解決策を提案できることがあります。

・新しい視点の提供: 外部の介入者は、家族が気づいていない問題やパターンを指摘することができ、家族の理解を深める手助けをします。

・安全な環境の提供: 外部の専門家がいることで、家族が安心して感情を表現できる環境が整います。

家族だけで行う場合のポイント

・コミュニケーションの強化: 家族内でのオープンなコミュニケーションを促進し、互いの意見や感情を尊重することが重要です。コーチングのように質問力、傾聴力、承認力を意識するのがお勧めです。ティーチング(命令、指示、提案)のような会話は避けましょう。会話の中から否定構文を排除するアファメーション(正規化)テクニックも大変有効です。日本人の会話は否定構文や二重否定構文が頻出するのが普通なので、アファメーションをマスターする事は想像より遥かに難易度が高いですが、発言の前に常に意識してチェックする事を習慣にすると正規化出来るようになるかも知れません。人間の脳の記憶呼び出しのシステム上、否定構文や二重否定構文は善意も呪いに換えてしまうので、徹底的に会話から排除するのが理想的です。一方で、言語的コミュニケーションよりずっと重要とされる非言語的コミュニケーションを強く意識し実践することも必要です。これも日本人の苦手とする所ですが少しずつ取り組んでみましょう。視覚(オーバージェスチャーetc)聴覚(声色etc)体性感覚(スキンシップetc)をフル活用してコミュニケーションして下さい。

・ルールの設定: 家族内での話し合いのルールを話し合いで試行錯誤しながら設定すると良いでしょう。世の中にあるルールのような一方的で強引な押し付けでは家族療法の目的から外れます。互いに配慮しながら行きつ戻りつルール設定を進めることが大切です。

・定期的な振り返り: 家族での話し合いを定期的に行い、進捗や問題点を振り返ることで、改善点を見つけることができます。犯人探しみたいな事についつい陥りがちですが意識して避け、改善に進みましょう。

・自己学習: 家族療法に関する書籍やリソースを活用し、知識を深めることも役立ちます。

結論

外部からの介入は必須ではありませんが、特に複雑な問題や深刻な対立がある場合には、専門家の助けを借りることが非常に有効です。家族だけで行う場合でも、しっかりとしたコミュニケーションとルールを持つことで、効果的な家族療法を実施することが可能です。状況に応じて、外部の支援を検討することも一つの選択肢です。


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