私は20代になったばかりのスペイン料理人見習いだった頃
料理とは無縁の兄と
首都マドリッドに食べ歩きに行きました。
マドリッドはカスティーリャ地方です。
カスティーリャ地方は見渡す限りの荒野でした。
赤茶けた大地が広がるばかりなのを飛行機から見下ろしました。
””十字軍が森林を焼き払い荒野に変えてしまったのだ。””
と読んだことがあります。
宗教の狂気は恐ろしいですね。
そんな荒野でも人々は適応して生きて来たのです。
そんな荒野でもいくつかの野菜は栽培できたようです。
元々野菜というモノは荒れ地性植物です。
人類の祖先の猿が
ジャングル(熱帯雨林)の生存競争に負けてジャングルを追われ
荒れ地というニッチに適応して
人類になったと考えられているそうです。
その際ジャングルのフルーツなどの代わりに食料としたのが荒れ地性植物だったというわけです。
・・・
・ニンニク
・タマネギ
・ジャガイモ
などがカスティーリャ地方の主な野菜です。
もちろん色々な野菜も存在しますが
カスティーリャ地方の多くを占める荒れ地でも問題なく大量に採れるこの3種の野菜が
圧倒的にカスティーリャ地方の伝統的食事の中心を占めてきたようです。
これに
荒れ地でも飼いやすい羊や豚や鶏、それと卵
スペインでは珍しく使われるスパイスである乾燥パプリカ
スペインでは珍しく使われるハーブであるパセリ
素朴なパン
など
かなり限られた食材でカスティーリャ地方の伝統料理は構成されます。
しかし
こんなにも不自由な条件下で作られてきたとはとても思えないほど
美味しく個性的で魅力的な料理
それがカスティーリャ地方の伝統料理です。
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