現在そばと言うと
蕎麦切りのことですが
その前は蕎麦搔が主なそば粉の食べ方だったそうです
私は東京で主にスペイン料理のシェフとして働いていましたが
働き過ぎで体を壊したこともあり
妻の実家のある信州に引っ越してきたのです
仕事は妻の実家の近くにあったこじんまりした保養所の管理人になりました
ここは運悪くピンハネ屋の弁当屋が既に入ってしまっていたのですが
良いこともあったのです
ホテルの総料理長だった和食の方が顧問をされていて
和食の指導に毎月来てくださったのです
蕎麦搔はこの方に教わりました
とても簡単な作り方でしたが美味しくて評判が良かったのです
なんとそば粉に熱湯を適量注いで菜箸で混ぜて
団子状に丸めるだけです
そばつゆを餡にして掛ければ完成です
美味しい水を沸かした熱湯でかくのが
美味しく作るコツと言えばコツです。
私はスペイン料理やイタリア料理で小麦粉は扱いましたが
そば粉は初めてだったので
その手軽さにびっくりしたのです
そもそもその手軽さから
修験道の行者の携行食として信州に伝わったそうです
信州の美味しい蕎麦屋には美味しい蕎麦搔もメニューにあることが多いのです
専門家の作る蕎麦搔はまた格別です
ソバの香りはそば切りより蕎麦搔の方が上だと感じますね
コメント